毎年、実習生がやってくる。オイラの楽しみの一つである。まぶしいぐらいの若さに、30年前の自分を思い出す。私の残された使命の一つだ。次の世代に受け継いでいくこと、これが老兵?の使命なのだろう。まだまだと周りは言うけれど、自分ではもうわかっている。若いときの経験は、特に今後の人生を左右する。いまの、大手薬局のシステムを見ると、利益ばかり優先して、人を育てる体制になっていない。たいした経験もないのに、管理薬剤師、いったい何を管理するのか?ただの、番頭さんだよね。マネージャーだって、然り、新兵の子守みたいなもんだ。役職に若いうちについてしまうと、自分が偉くなった錯覚に陥る、世間で見たらただのひよっこなのにね。それがわかっていない。だから、若くして、役職に就くと、その後が苦労する。他の組織での自分の位置づけができないから。昔は、病院では、いろいろな年齢層の人たちと一緒に仕事をした。いまはどうだろう?薬局を見ると、若い同世代と思われる人たちが忙しそうに、働いている。そこには、人生の歴史みたいなもんが感じられない。本当に薬を出すだけならAIで十分だ。いろいろな人の人生に触れて、人は成長する、同じぐらいの人たちだけで、果たしてどんな成長ができるのか?できるとするなら、患者との触れ合いである。そのためには、患者と話ができる人材を育てなくてはならない。そのために、オイラは、実習の初日に、人としての心構えを教えている。でも、いろんな考えがあっていい。それを、どう解釈するかは、その人次第なのだから、国家試験が無事終わったようだ。結果は、3月末、それまで十分に羽を伸ばして、4月から社会人として、がんばってもらいたい。立派になった、実習生を遠くから見てみたい。