薬剤師になって、初めて病院に勤務したとき、漢方薬の種類の多さに驚いた。大学にいたとき生薬の授業は退屈で仕方がなかった。なんでこんな植物に薬効があるのか分からなかったよ。生薬の試験の時、ガラスの中に入っている生薬の鑑別試験の時みんな干からびた雑草にしか見えなくて、当然追試になったよ。(笑)今思うとまるっきり興味がなかったんだね。
人生不思議なもので、自分が苦手な方向に行くのが常なのかもしれない。高校生の時、英語が苦手だった。大嫌いだった。教える先生が嫌だった。それで嫌いになったよ。なんでオイラは日本人なのに英語なんか勉強しなくてはいけないんだと思ったよ。日本に住んでいるんだから日本語を話せれば十分だろうとも思った。今から考えるとおろかで周りが見えてなかったね。そんなオイラが、海外に行く羽目になるなんてね。話が変な方向に行ったので、この続きはまたにする。
店をやるようになって、調剤以外にじゃあ何が出来ると考えたよ。一つは、今やっている介護タクシー、これは前から少し考えていた。次は何か?OTCか?いや大手ドラッグやアマゾンなんかに勝てない。対面で商売ができるもの、処方薬でないもの、漢方かなぁと思ったよ。まだまだ漢方薬は、効果がないとかエビデンスがないとか言われているけど、そんなことはないと思うようになったきっかけがある。
以前、姪の結婚式のめでたい場で、立ちくらみで倒れたことがある。起立性低血圧である。前から、立ちくらみはよくしていた。一過性の脳虚血状態なのだろう。目の前が真っ暗になった。でも意識はある。周りの声ははっきりと聞こえた。しばらくすると、目の前が明るくなって、周りが見えてくると大騒ぎ。大男が倒れているからびっくりしたろう。脳神経外科の病院に勤めているとき、院長と話をしていたときだ。「先生、どうしてうちの入院患者さんは、糖尿病が多いんでしょうか?」と聞いたとき、「あれ、糖尿病は血管の病気だよ。血管がダメージを受けて、脳梗塞、脳出血になるんだよ」と言われ、納得した記憶がある。よく考えて見ると血管がボロボロになって、そこに高血圧、高脂血症が加われば、破れたり詰まったりするなあと理解したよ。大学の時、糖尿病はおしっこに糖が混じって、それで病気になって、3大合併症(糖尿病性網膜症、末梢神経障害、糖尿病性腎症)が出ると、覚えたもんだ。どうして、そうなるかは疑問にもしなかった。(笑)これでは、ただ血糖値を下げて、薬をのまないと合併症になるよとしか、いえないなぁ。病院に勤めて、臨床的な意義がまるで分かっていなかった。それから、勉強したよ。無い頭でね。
全て、血液が栄養分を運んだり、酸素を運んだり、そのためにいろいろな臓器がネットワークを作り、人体を構成しているんだと分かってくると、本当に小宇宙といわれるのが分かってくるよ。致命的な病気は、がんと梗塞、出血なんだと思うと、全て血流が関係しているんだとね。そう考えると、ホームページに乗せたオイラも飲んでいる錦上四川富貴廣は、止血、出血、活血作用と呼ばれる、一見理解しがたい作用がある。出血を抑え、血を止め、血の巡りをよくする作用、まさに夢の薬ではないか?事実とすればね。でも、事実だったよ。高価な薬なので、最初飲むのをためらったが、健康はなにものにも代えがたいものと分かってきたから、自分の体に投資するようにしたよ。まあ、介護タクシーに乗せている患者さんと話をすると、病院と住まいの往復だけ、年金は病院費と聞くと、頑張って生きてきて、最後はこれじゃと寂しい気持ちになったよ。錦上四川富貴廣を飲むようになって1年以上経つけど、あるとき全く立ちくらみがしないのに気がついたよ。もう1年以上ね。気がついたときはびっくり。さらに、立ち仕事が多い仕事なので、下肢静脈瘤がすこしあったんだけど、それも薄くなったりなくなったり。やはり、効果はあるよ。それから漢方薬を信じるようになった。
まさか、自分が漢方薬を勉強することになろうとは、前述した英語が大嫌いなのに、海外に行く羽目になったのと同じだ。昔、死んだじいちゃんが言ってたよ。人生を切り開くなら、あえて困難な道を選べと、、その意味がやっと分かってきたよ。さすがだよ。
いざ漢方薬を勉強してみると、実に奥が深いことが分かる。西洋薬は、切れ味がいい。作用機序を見ても、なるほどと分かる。理屈に合っている。でも、人間の体は薬を毒と認識?して、体外に排泄しようとする。そのせいで、副作用が出たり、薬の効果が弱まったりする。それで、血中濃度を維持するために、薬の効果を妨害する酵素を阻害する薬、或いは別の作用機序の薬をかぶせたりして、薬が増えてくる。その為に、人間は旨くそれらの攻撃をかわすような薬の開発を進める。イタチゴッコだ。いわゆる対症療法が中心になる。でも、西洋薬は否定しない。
東洋医学では、人間には、気、血、水の3要素があると言われている。このバランスが崩れると病気になると言われているが、このバランスをとるのが、漢方薬なのだそうだ。難しい話は、しないし出来ないので、もう少し勉強したらわかりやすく解説したいと思う。でも、不思議なことに、西洋薬の薬効から考えると、例えば糖尿病、腰痛、頻尿改善という何種類も服用しなきゃいけないのを、証が合えば、漢方1種類でも良いと言うことだ。病気に対する考え方が違うのが分かるだろう。
大体、止血剤と血液さらさらと循環改善剤が一つになっている薬なんでないね。
最近、面白い症例が合ったので、本人の了解の元、公開します。